まだくすぶってるようで、見るたびにぶつくさ書きたくなるんだけれど。
結局、モノとしてセーフかアウトかと言われたら、「観光PR用のポスターとして頼まれたら、私なら描かない」図柄だという答えになる。見るぶんにはセーフ派です。アイドルのグラビアとそんな変わらないと思う。胸の強調もちゃんとポーズで理屈がついてるし。
こういうのは本当「自分はこう思う」ってことしか言えない。まして今回撤去云々までは行かないですね、自分が関係者でも抗議しないです。
原作未読で、今日アニメ2周目流してた程度のにわかファンが言うけど、あれおそらく既存ファン向けのサービスカットなんでね、同じ図柄のグッズがあることは前回も書いた。
ポスターのこれ、良田胡蝶ってキャラなんですが、弱そうな、切なげな表情してるけど、ほんとは全然こんなキャラじゃないんですよ。普段はもっとエリートで高飛車なの。でも過真鳥って奴にホレてて、そいつの前でだけはすごくキョドって弱いんです。
なのでこれは、ほんとは過真鳥にしか見せない表情なんだと思う。それをファン向けに、グッズ展開するときに描いたんだと思う。彼女のファンは彼女にホレてもらいたい。
だもんで、「良田胡蝶ってキャラクターを知らない人に紹介する」って意味でも、私はポスターとしては選択しないです。普段の、胸張って高飛車な様をチョイスしたい。
だからほんと単純に、「素材がなかったんだろう」と、そればっかり思っちゃうんですよね。
美濃加茂市すごいなと思うのは、作品の、下ネタ満載って点もそうなんだけど、農業とか農村のポジティブじゃない面にも触れてるってことですよ。農業や農村ってことの、喜びも、つらい部分も、両方描こうとしている。
特にアニメ全12話の最後の方なんだけど。取材協力の時点ではわからなかったかもしれないとはいえ、放映後、確認したであろう後からもずっとコラボを続けてるって、私はとても理解あることだと思うんです。
ご当地コラボが流行るのはいいんだけど、自治体のイメージによって作品の描きたいことが左右されたら本末転倒なんですよ。そのことをずっとうっすら思っている。
本当に人間ドラマ描こうとしたら、良い場面ばかりじゃないです。または、せっかくコラボしておきながら、「その土地じゃなくても成立するじゃないか」ということになってしまうケースもあると思う。
ファンタジックな作品ならまだしも、『のうりん』はわりとダイレクトに“農村とは”“田舎とは”ってことに触れようとしてて、なんならそれが美濃加茂市のイメージに被さって見られかねないじゃないですか。それでも『のうりん』って作品の挑戦を殺さずにいてくれたのは、とても懐が深いことだと思うし、貴重だと思うんです。
それ思うと私はすごく応援しますしね、今回の騒動でイヤにならないでほしいというか、そういうわけで前回「素材がないなら一ファンとして描いてやりたいよ」くらいに思ってたんですけれど。制作会社さんに頼むのだってタダじゃないです。
思うのはいいんだけど今仕事も若干詰まってるんで、あんな落書きしかできなかったんですけれども。美濃加茂市も行ってみたいが…。そんな感じです。