郊外へ夫とサイクリングに出る。広々として気分がいい。
ちょっとした観光施設に着く。人が多いわけでもなく、静かだ。緑の多いところ。青空から木漏れ日が差し込んでくるなか、食事処でそばを食べた。
せっかく来たので土産物も覗く。真空パックのつけものが並んでいた。
「これはなす、これはきゅうり。食感があって人気だね。これは刻んだもの。いろんな具材が入ってる。ご飯にかけて食べるとおいしいね。このあたりのね、郷土の味なんだわ」
店頭のおばちゃんがすかさず説明してくれる。
どれがいいかな、でも刻んだのが具材が多くてなんかよくない? などと夫と相談するも、少し迷う。キャッシュレスに慣れてしまって、よくみたら現金が二人合わせてもあと700円程度しかないんである。買うとしたら一袋だ。さて、どれにするか…。
「刻んだの、いいよ、人気がある。郷土の味でね」
「迷いますね…。おかあさんは個人的にどれがおすすめですか」
「ん~~~~~。なすもね、なかなか、買っていく人が多いね」
「もしかして、ご自身ではあまりお召し上がりにならない?」
「んん~~~~。ごぼうなんかもね、意外と人気だね」
刻んだのを買った。