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円茂竹縄ブログ

『コミック版・神との対話』、あとがきにかえて

コミック版 神との対話

コミック版 神との対話

 『神との対話』の原著は、ニール・ドナルド・ウォルシュさんが書かれたもので、世界各国で翻訳され、日本でも97年に発売されてベストセラーになりました。シリーズはたくさん刊行されているのですが、コミック版は、そのうち、第一巻の内容をエッセンスに絞って再構成したものです。
 書籍刊行の目的はいろいろありますが、今回は、原作を知らない方々へも、気軽なかたちで『神との対話』を知ってもらおう、というのがメインだと思っています。

原作との関係

●内容(「MARC」データベースより)
92年、春。私生活と仕事の両面で苦しんでいた著者は、「神」に宛てた手紙の中で、やりきれない心情と疑問をぶつけた。書き終えてペンを放り出そうとしたその時、「神」からの回答が…。そして著者は「神」と「対話」する。

 原作をご存知の方はおわかりでしょうが、『神との対話』の本来の主人公は、著者ご自身です。
 コミック化するにあたって、「初見の方に、まずはひとつの漫画として読んでほしい」という想いから、主人公を創作することにしました。 一般的に日本の漫画は、読者が身近に感じられるような主人公設定をします。この場合、「日本人」で「サラリーマン」だと思いました。
 ですので、私は今回のコミック版は、純粋な“コミック化”というよりは、どちらかというと『神との対話』をもとにしたスピンアウト書籍だと思っています。

 ただ、「原作の文脈を変えないように」、ということには非常に気を配りました。
 私も物書きのはしくれとして、自分の書いた内容が曲解されて伝わるのは最も避けたいところです。ひょんなことからお受けすることになったのですが、正直な話、当初は、私がやっていいのか、私にできるのか、と迷いもありました。人の内容を預かるのは、自分で創作する以上に責任が増します。

 しかし、制作にあたっては、出版社さんや編集さん---じつは皆さん『神との対話』の大ファンです!---に、多大なアドバイスをいただき、また、ニールさんとの橋渡しもしていただきまして、シナリオ段階でニールさんご自身にチェックしていただくことも叶いました。 ですので、『神との対話』からの引用については、自信を持ってお届けすることが出来たかと思います。

 本当は、もっとご紹介したかった印象的な“言葉”がたくさんあるのですが、漫画という表現の都合上、すべてを入れることは難しく、興味のある方は是非、原作のほうも読んでいただきたいと思います。

神との対話』、未読の方へ

 現代日本では、“神”という言葉自体が、一種のうさんくささを持ってとらえられているかと思います。「もしかしたら取り込まれてしまうのでは?」「おかしな考えを刷り込まれてしまうのでは?」そういった恐怖感すら、はらんでいます。

 あまり書くとネタバレになってしまうのですが、この書籍の趣旨は少し違っていて、登場する“神さま”は、くりかえし「自分の考えは、自分自身で考えて持ちなさい」と説いています。
 中には、受け入れられない“言葉”もあるかと思います。
 難解すぎる内容もあります。
 しかし、“神さま”の言葉に従えば、逆に、すべてを丸呑みする必要もないのだと思います。
 文庫版のあとがきで田口ランディさんも書かれていますが、「自分にとって価値がないと思うのなら捨てていい」のだと思います。

 ただ、個人的には、たいへん勇気づけられる“言葉”もたくさんありました。その意味で、広く読んでもらいたい書籍でもあります。 今回のコミック版で、ワンセンテンスでも誰かの考えの一助となれば、ほんのかけらでも行動の動機となれば、そんなに嬉しいことはありません。

謝辞

 最後になりましたが、関係各位には心からお礼を申し上げます。
 原作者のニールさんにおかれましては、コミック版執筆にあたって、たいへん寛大にお任せいただきました。異国の漫画書きに内容を預けるのは非常にご不安もあったことでしょうが、おかげさまで、自分でも力を出しきることができたと思います。
 出版社さん、編集さんにも多大なアドバイスをいただきまして、あらためて、書籍は一人ではできないのだなあ、と感じた次第です。
 一人でも多くの人に手にとっていただきたいと思います。